カウンセリングオフィスつむぎでは、精神分析的心理療法を基本スタイルとして、カウンセリングを実施しています。初回でお話を伺った上で、このスタイルのカウンセリング適応だと判断した場合、基本的には、「同じ時間、同じ場所、同じ曜日に」来て頂けるようにお願いしています。カウンセリングでお話する内容は何でもいいし、好きに使ってもらっていいけれど、時間と場所と曜日を守ること、これだけお願いします…って。
これを聞いた時、どう思うでしょうか?
そんなの簡単、ちゃんと来ますよ。
仕事がイレギュラーだから、約束なんてできない。
え、時々休んでもいいよね。
その日調子がいいか悪いなんてその日しか分かんないから、来れるかわかんない。
毎日来れなければ、カウンセリングしちゃいけないのかな、やめようかな。
いつも同じ時間、場所、曜日。これだけのことを守るのが、結構難しいことが多いのです。
このミッションをどう守り、こなしていくかのやり方は、その人の今までの人生を如実に反映しているとさえ言えるくらいです。
クライエントさんがカウンセリングで言葉にできない思いを、時間通りに来る来ない、リスケやキャンセルを繰り返すなどの行動で表すこともあります。
約束の主導権をめぐって、マウンティングを取ったかのように感じる場合もあります。
約束の日時まで「待つ」ことができるには、相手を「信用する」ことができること、何か動揺するような心の動きがあっても、それを自分の中に約束の時まで「抱えておく」力が必要なのです。
簡単なようですが、「同じ」を守るのは、なかなか大変なことなのです。
じゃあ、この「同じ」が守れないなら、カウンセリングしちゃいけないのでしょうか?
カウンセラーが最初にこのきまりを守るようにお願いするのは、
それができるようになることが、最初のステップだと考えているからです。
最初から誰もができるとは思っていませんし、それくらい難しいミッションだということも理解しています。
でも、そのミッション達成を目標とすることが、カウンセラーとクライエントの関係性を守ること、何よりもクライエントが自分自身を大事にし、見つめるために、他の要因よりも自分の時間を優先させるという意味で、大事なステップになると考えます。
約束の日時を守れなかったクライエントさんが、守れるようになった頃には、まだいろいろ悩みがあったとしても、1つのステップを踏んでいて、もう自力で進むことが可能になったことを意味することでもあります。
「では、また来週お待ちしていますね。」
「じゃあ、また来週お願いします。」
このセリフが、とても懐かしく心地よいものになっていくでしょう。
あなたには、帰る場所があるのです。待ってくれる人がいるのです。
それを人工的に作るのが「カウンセリング」です。
「では、また」
Comentarios