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今回、通われている方へのアンケートで、「総額いくらぐらいかかるか、どれぐらいの期間通うのか、どのような流れで進むのかなど、初めて受けるものにとってはわからないことだらけで、事例などが掲載されていたら、より不安感を減らすことができるかもしれない。」

というご意見がありました。

ずっと気になっている内容でした。最初の面接で質問されることの多い内容でもあります。そうしたカウンセリングまでの流れをホームページにのせているところもあります。

そうしたページを作ろうかな…と何度か書き始めたこともあります。

でも、フローが多くなりすぎて、うまくまとまらない!

書いてしまうと、本当はもっといろいろなフローを予想し、いろんな可能性を保留した状態でクライエントさんに会っている現状ともずれているような気がして、難しい。

何よりも書いて「結果」にしてしまうと、「必ずそうしている」と理解されてしまい、そもそもクライエントさんと会う可能性が閉ざされてしまうこともあるかな…と。


それでも、初めてカウンセリングに訪れたらどんな展開が待っているのか、気になりますよね。まとまらないと思うので、徒然にブログとして書いてみることにしました。

たぶん長くなります…。

こんな場合もあるよ…くらいのお気持ちで、お読み頂ければと思います。


多くの場合、まずカウンセリングのお申込みですが、当オフィスでのお問合せ順位は、

1.お問合せフォーム

2.メール

3.電話・SMS

4.チャット


お問合せフォームでご連絡頂いても、結局はメールでのやりとりになるので、どちらかで悩んでおられる方は、メールでご連絡下さい(笑)。

余裕をもって予約を取られたい方はフォームやメール、今日明日で行きたい!という方は電話というパターンが多いかなと思います。

この予約のやりとりで、クライエントさんがどのくらいの社会性やコミュニケーション能力をもっているか、会話のやりとりが可能かどうかなど、カウンセリングをするのに必要なくらいの下地があるかどうかなどを確認していたりします。

AIによる予約システムを取り入れないのは、こんな理由があったりします。

カウンセリング自体に不安がある方は、電話やメールでのやりとりでセラピストの話し方や雰囲気を確認していらっしゃることもありますよね。


予約の日時が確定すると、メールやSMSにて、「予約票」を送らせて頂いています。

口約束のままだと、お互いに誤解があったりするので、「予約票」にて日時と料金についての確認をお願いしています。


予約が確定した後は、「問診票」の記入を事前にお願いしています。

もちろん、当日に御記載頂くことも可能なのですが、意外と書いている時間というのはもったない。お時間を買って頂いているようなものなので、お時間いっぱい、お話をうかがえるように、事前に問診票の御記載をお願いしています。

「問診票」はメールでやりとりさせている方には、メール添付で、電話の方にはホームページから取り出して頂いています。

「問診票」には、家族構成や通院歴、服用しているお薬などを記載する項目があるので、事前の方が記入しやすいかと思います。

よく記入漏れがあるのは、「緊急連絡先」の項目です。

カウンセリングに通われていることを知られたくないという思いがあるのか、よくここを記入されない方が多いのですが、「緊急」ですので、クライエントさんが倒れてしまったり、意思の疎通ができなくなってしまうようなことがあった場合に、ご連絡する方を御指定頂きたいと思います。今までこちらに連絡させて頂いたことはありません。これからもできればないことを願っています。


これでようやく当日の来談になります。

来談される方には、できるだけお時間ちょうどのタイミングでお越し頂くことをお願いしています。

カウンセリングの予約時間は、〇〇:00~〇〇:50 になっています。

前のクライエントさんがお話を終えて、予約の確認をしてお支払いを済ませて帰られてからしか、次のクライエントさんをオフィスにお呼びすることができません。

当オフィスはエントランスでのオートロックですので、5分前に扉を開けるのが精いっぱい。それまでは、エントランスでお待たせすることになってしまいますので、ご理解頂ければと思います。

新しいオフィスはワンフロアに1部屋ですし、エレベーターは内部カメラがありますので、マンションで他の人と鉢合わせすることはありませんので、ご安心ください。

次のクライエントさんに鉢合わせしたくない場合は、お帰りの際は階段を御利用頂くと良いかと思います。


オフィスは土足での利用が可能になっています。

そのままで御入室下さい。気になる方は使い捨てのスリッパを御用意しますので、事前にお知らせ下さい。

初めてのカウンセリングはインテーク(初回面接)とも呼ばれます。

まずは、カウンセリングにいらっしゃるまでの経緯をうかがいます。

上手にまとまっていなくても大丈夫です。

分からないところや確認したいところは、セラピストからも質問しますので、話したいところや話しやすいところからお話し頂ければと思います。


お話をうかがったところで、セラピストはいくつかの見立てをしています。

「いくつかの」が大事なところでもあります。

1回のお話で1つの結論を出すことはとても危険です。

今日出会ったクライエントさんは、数十年生きてきたうちのたった50分の顔しか見せていないのです。そこから見えてくるものも大事ですが、見えない部分も考慮しておく必要があります。

そもそもカウンセリング適応のクライエントさんかどうか、カウンセリングよりもまず医療につなげる必要があるかどうか、環境整理を先にする必要があるかどうか、このタイミングで継続カウンセリングが必要かどうかなど、おおまかに判断をして、お話をさせて頂きます。この時に、カウンセリングの方法にもいろいろあって、当オフィスで実施している精神分析的心理療法についても簡単に説明し、そうした方法でクライエントさんのニーズと合っているかどうかも確認します。


カウンセリングを導入できそうなクライエントさんには、

当オフィスでのカウンセリングについての説明をさせて頂きます。

守秘義務のお話や例外事項の確認、予約金とリスケのルールなどを一緒に読み合せて確認をします。ここでわからないことなど質問があれば、お受けしています。

こちらの内容に同意できるようなら、「同意書」にクライエント・セラピスト双方が署名をしてカウンセリング契約をすることになります。

ただし、初回のその日に署名することはお勧めしていません。

一度持ち帰って頂いて、御自分でも再度御検討頂いた上で、署名した同意書を持参して頂くことが多くなっています。


また、継続カウンセリングが可能な方で、緊急に対応が必要な事態がない場合には、アセスメントのために必要な心理テストとアセスメント面接へと進めていきます。

クライエントさんには「アセスメント」という言葉を使用することは控えています。

「アセスメント」は、治療を始める上でとても重要な概念ではありますが、それはセラピスト側の姿勢であり、クライエントさんにとっては「査定される」「評価される」というようなイメージを持たれてしまいがちです。

具体的には、「今現在のクライエントさんの状態、今までの生い立ちでどんな生き方の姿勢やスタイル、スキルを身に着けてきているかを把握するために、生い立ちや御家族のことを詳しくうかがっていきたい。クライエントさんを客観的に捉えるために心理テストを実施して、そのフィードバックを通して、今の御自分をセラピストと一緒に理解してみませんか」という内容のお話をします。

心理テストは別で料金もかかるので、無理にはお勧めしませんが、そこからわかる情報量と、その理解をセラピストと一緒に進めたという感覚は、カウンセリング数回分に匹敵すると個人的には思っています。

そんな考え方から、カウンセリング導入前には必ず御案内させて頂いていますが、テストをしないでももちろんカウンセリングを進めることは可能ですので、ご安心ください。

ただ、カウンセリングを数回実施したセラピストはテスターになれないので、1人しかカウンセラーがいない当オフィスでは、2回目あたりでのテスト実施をお願いしています。

それ以降のカウンセリング中にやっぱり心理テストをしてみたいとなった場合、別の心理士に依頼したり、医療機関にお願いしたりと方法はありますので、その場合は御相談下さい。


多くの方は、心理テストに興味・ご賛同を頂けますので、だいたい2回目にテスト実施になります。

テストはだいたい4-5個くらいのテストを組み合わせて実施します。

初回でお持ち帰り頂いた宿題のテストと、2回目に来談して実施するテストがあります。

テストにかかる時間は人によって違いますので、テストの予約枠は2時間でセッティングします。

土曜日にカウンセリングを御希望されている方には、テスト実施日だけ平日でお休みをとって頂くことをお願いすることもあります。

空き枠が1時間しかない場合が多いためです。

こればかりはタイミングなので、御相談させて下さい。

また、カウンセリング自体をすべてオンラインで希望されている方も、テスト実施は対面でしかできませんので、来談されることを御考慮下さい。

多くの方は1時間前後でテストを終えられて、その日はテストが終わり次第、終了になります。


3回目にテストのフィードバック面接をします。

相談機関によっては、心理テストとアセスメント面接がすべて終わってから、一緒にフィードバック面接をするところもあります。

本来のアセスメント(診断)の概念から言うと、それが正しいのでしょうが、

当オフィスでは、一番には、テストしたら早く結果知りたくないですか?

そんな思いから、まずはテストから理解できることをフィードバックします。

フィードバックでは、データからわかることをざっと一通り説明して、クライエントさんの強みや弱み、短期的に解決できる部分と、長期で治療が必要になる部分など、またカウンセリング自体が可能かどうか、向いてるかどうかなど、さらにはカウンセリングの頻度についても提案させて頂きます。

その上で、テストではデータからこんな傾向がわかったけれども、それがどんな生い立ちや生活史から成り立ってきたのかを探っていくような気持ちで、アセスメント面接をしていきます。

フィードバック面接の際までに、カウンセリングを実施するかどうかの「同意書」を署名して頂き、次のアセスメント面接に入っていきます。


次の回からは、生い立ちや家族関係などをうかがっていくアセスメント面接になります。

この面接の回数は、当オフィスでは回数を決めていません。

人によるんです。

私はわりと生まれたあたりから丁寧に聞いていくタイプなので、

さらっと答える人は、どんどん進んで回数も少ないですし、いろいろ思いだして語ってくれる人はなかなか進まず、回数も多くなります。

年齢によっても、語る年数がそもそも違ってくるので、年齢が上の方はそもそも時間がかかります。

だいたい-2ー5回くらいでしょうか…。

アセスメント面接として、セラピスト主導で質問を挟んでいく面接にはなりますが、私はカウンセリングとしての意味も重要性もあると思って実施しています。

ですので、丁寧に話したい方には丁寧に、淡白にすませたい方には、さらっとお話をうかがっていきます。この共同作業が実はとても大事だと思っています。

どこを丁寧に、どこをあまり思い出せずに、どこを言葉にするのを難しく感じるのか、そんなことを感じ取りながら、「今」に至るまでの振り返りをさせて頂きます。


生い立ちや御家族についてなど、一通り必要な情報を聞き取った次の回には、セラピスト側からの感想(見立て)をお伝えします。

クライエントさんにも語ってみてどうだったかの感想をお聞きしています。

この時点で、丁寧に振り返った方は特に御自分の癖やパターン、苦手な対人関係や環境など、御自分で気づかれていることも多いです。

セラピストがあえて指摘しなくても出てくることが多いので、アセスメント面接はまさに「伴走」だなぁと感じるところでもあります。

クライエントさんは、自分をどう変えたらいいか、自分を変えたいんです!と意気込むことが多いですが、まずはその「自分」がどんなものなのかを知ることがあってこそ、本当に変えたいのか、変える必要があるのか、そうならざるを得なかった「自分」の成り立ちを無視していなかったか…ここを考えていくことがとても大事だと思っています。

自分を大事にしないと、丁寧に扱えないし、雑に変化を求めても、自分は抵抗するんですよね。話しが逸れますね…。


いよいよここからは、精神分析的なというか…「自由に思ったことをお話下さい」というスタイルになります。今までわりとセラピストから話をふることが多かったので、ここにきてちょっとびっくりされるクライエントさんもいますが、それまでの語りから、だいぶほぐれていますので、みなさん自由語り(寝椅子スタイルではないので自由連想とは言いません)に移行するのはとてもスムーズだなぁと思います。

セラピストもここからは、その語りにどんどん乗っていきます。アセスメント面接ではある程度聞き取らないといけない内容をもとに軌道修正したり、深くなりすぎないように注意したりしていますが、そうした制約から少し自由に語りに付き合っていきます。


実は、アセスメントの結果からセラピストはカウンセリングの運転方法を判断しています。クライエントさんの自我機能や資質、現実の環境との兼ね合いなど、様々を考慮して、こんな運転方法でいこうというのを決めているものなんです。実は自由に語るって、いろいろな危険も伴うので、クライエントさんがこの部屋から出る時には、歩いて電車乗って帰って、明日の生活に支障が出ない程度には回復できるように、セラピストは速度も深さも調整をしているのです。だから、実は帰ってからもしんどかった。翌日仕事を休んでしまった。次の回のカウンセリングに来るのがすごくしんどい、休みたい…なんていう気持ちは、大事なバロメーターなので、必ず次の回のカウンセリングで報告をして欲しいのです。


さて、今回のテーマは「カウンセリングが始まるまで…」でしたので、このブログはこのへんまでにしておきます。

やっぱり長くなってしまいました。

いろんなクライエントさんがいますし、それぞれに考えて対応しているので、誰もが同じ対応にはなっていないと思います。その時その時でベストを考えていますので、あとから付け加えたり、順番を変えたり、そんな臨機応変な対応も日常茶飯事です。

それが人と人とのやりとりの面白いところでもありますしね。

それでも、おおまかな流れと、どんな思いでそうした流れになっているのかがお伝えできればと思いました。

実例ではありませんので、御了解頂きたいと思います。

できるだけクライエント・ファーストで進めていくことを心掛けていますが、クライエントさんの要望に応えることが必ずしもクライエントさんのためにならないこともあります。

もし、「それはできません。」と言われても、がっかりせずにじゃあどうするかをセラピストと一緒に考えて下さい。


次回は気になるかかる料金についてお話できたら…と思います。

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更新日:2023年8月30日

夏休みを利用して、本当に久々に舞台を観に行きました。日頃、クライエントさんに「心のエネルギーを育てるために観たり聞いたり、疑似体験でもいいから経験値を増やして下さいね」と言っているわりに、最近自分がそうしたエネルギーを増やす心がけをしていないなと思ったので、思い立って行ってみました。


なるべく物語の内容には触れないようにしますが、少々のネタバレは御了承の上、お読みください。


この劇のテーマは親子関係。3人の子の父親になったハリー・ポッターが息子との関係に悩むところから、物語が展開します。物語の展開自体は、子供も読むお話でもあるので、現実よりはまとまった綺麗な展開ではありますが、ハリーの本音っぷりがなかなか面白いというか、子どもっぽい。3人の父親となっても、父親ってこんなもんか~と苦笑いしたくなります。ハリー本人が「良い父親」になれない理由をいろいろ並べ立て、それでもなんとか「いい父親」になりたいと不器用ながら息子と関わる姿は、ほほえましくもあるのですが、ちゃんと「母親」になり、「良き妻」としてハリーを諭したり支えたりしているジニーと比べると、なんとも頼りないです。


母親は「親になる」ことに選択の余地がないところがありますが、父親には選択の余地があるんだなぁと感じるところです。どのタイミングで子供と向き合うか、「親」として成長するか、タイミングを選べる自由があるかないか、父親と母親ですでに違うんだな…と思いました。自由があるのがいいか悪いかはまた別問題ですが。


ハリー・ポッターシリーズを読んでいると、イギリスというお国柄からか、同じ島国だからでしょうか、日本人の感覚に近いものを感じます。このお話がアメリカのお話だったら、主人公はこんなに苦悩しないし、ウジウジしないし、成長と共に強く逞しく描かれていくのでしょうが、実際のハリーはいつも100%のヒーロー気質ではないし、結構ずるくて短絡的、人や運に恵まれて、ヒーローになっているところがあります。そこに親近感であったり、面白さを感じるのでしょうね。


親になったハリーも、「いわゆる理想的な父親」ではなく、いつだって昔のことにウジウジしているし、イライラ腹を立てる「普通の人」です。物語だからなのか、そこに素直に気づき反省し、頑張るところが応援したくなるのでしょう。”自分には父親がいなかったのだから、どうやって「良い父親」になっていいかわからないんだ!”と開き直ると、現実では、ハリーみたいに素直にその先には進むことは…なかなか難しいです。自分の努力と別のところに理由を見つけて安心すると、人はそこから脱出するには、相当の努力と勇気がいるものです。”ここから抜け出すには、何カ月かかるかな~”と、観劇をしながら、ついついそうした迷宮に入り込みそうになりました(笑)。


でも劇ですからね。ちゃんと結末が準備されていますから、安心です。無事に親子は分かり合えてしみじみと終わりました。もっと息子のアルバス側からの心情を聞いてみたい気はしましたが、これは余韻として…。

魔法の演出もアナログにこだわっていて、舞台としてもとても楽しませてもらいました。


心のエネルギー補給して、またお仕事がんばります。





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カウンセリングについて調べていくと、「カウンセリングでアドバイスはできません」と言われたり、記載されていたりしませんか?

私も基本的には、お問い合わせ頂いた時点で、「アドバイスがもらいたくて…」とおっしゃる方には、「事情もわからずいきなりアドバイスはできないんですよ…。」なんて説明をよくさせて頂きます。

ただ、実際につむぎで相談された方中には、「結構いろいろ、ああしてみたらどうだとか、こういうのを試したらどうだろう?」と言われるよなぁと思っている方、多いと思います。

そうです、実際には、いろいろ提案させてもらったり、できなさそうなことを「やってみたら?」と言ってみたりしています。

それは、私だけではなく、多くのカウンセラーがやっていることだとは思いますが、大きな声で「アドバイスしてくれるらしいよ」と言うと、初回のカウンセリングから立派で劇的なアドバイスを期待されてしまうので、まずは「カウンセラーはアドバイスしないんですよ~一緒に対応策を考えるのが仕事なんです」と言って、牽制しているところもあります。


カウンセリングにおけるアドバイスは、非常に「タイミング」が大事になるのです。まだその人の人となりを知りもしないうちから、バンバンとアドバイスが出されるのは、目の前にいるクライエントのためのアドバイスではなく、そのカウンセラーが信じている信念というか、心酔している方策というか、そういったものをばらまいているにすぎません。

本当にそのクライエントに必要で意味のあるアドバイスを、クライエントの成長や内省の深さに合わせて、ちょうどよく提案できる…というのが、プロのなせる技ではないかと思います。


この時にカウンセラーが提案するアドバイスは、だいたいがクライエントがやったらいいのは重々わかっていても、あの手この手で実施するのを避けてきたものであることが多いのです。だから、ちょうどよく提案されたアドバイスであればあるほど、クライエントの欲しくないタイミングで出されたり、提案されたりします。アドバイスされる頃には、あんなに最初は求めていたはずのアドバイスが聞きたくない、欲しくないものになっていたりするんですね。

カウンセラーはこれだけ話したら、そうせざるを得ないのわかるよね…というタイミングで切り出します。そうなるとクライントは、なぜそのアドバイスがすぐに実行できないのか、その抵抗が環境ではなく、自分の中にあるのだということを考えざるを得なくなるのです。

すぐにできないアドバイスこそ、カウンセラーからの問いかけであるということになります。


カウンセラーもクライエントがそう簡単にできるわけがないアドバイスを、こともなげに「やってみたら?」と言ってみたりします。これが初回ならクライエントは「そんな簡単にできたら、こんなところに来てない!」と怒り出してもいいですよね。でも、このタイミングで言われると、「ですよね~、やったらいいのはわかってるし、客観的に見れば難しいことじゃないのはわかってるんですけど、なんかできないんですよ~」と言えるようになる。「なんででしょうね」と考えることにもなるし、「そんなこと思いつきもしなかった」なんてこともあります。いいタイミングでアドバイスを入れるのも、意味のある気づきを促していくことになります。


ですから、私がアドバイスを出し始めるのは、少なくともアセスメント面接とか診断面接とか呼ばれる、最初の数回の面接をかけて行う成育歴や家族についてのお話を十分聞いた上でになります。その頃には、その人がどんなアドバイスを必要としていて、どのタイミングで言うべきか、それが受け止められるかどうか等々、クライントさんの人となりがわかってきますし、それが言えて、できないと言えるくらいの信頼関係もできています。



だから、「カウンセラーはアドバイスをしません」



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東京カウンセリングオフィスつむぎ(中央区日本橋)

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