「ハリー・ポッターと呪いの子」にみる親子の葛藤

夏休みを利用して、本当に久々に舞台を観に行きました。日頃、クライエントさんに「心のエネルギーを育てるために観たり聞いたり、疑似体験でもいいから経験値を増やして下さいね」と言っているわりに、最近自分がそうしたエネルギーを増やす心がけをしていないなと思ったので、思い立って行ってみました。


なるべく物語の内容には触れないようにしますが、少々のネタバレは御了承の上、お読みください。


この劇のテーマは親子関係。3人の子の父親になったハリー・ポッターが息子との関係に悩むところから、物語が展開します。物語の展開自体は、子供も読むお話でもあるので、現実よりはまとまった綺麗な展開ではありますが、ハリーの本音っぷりがなかなか面白いというか、子どもっぽい。3人の父親となっても、父親ってこんなもんか~と苦笑いしたくなります。ハリー本人が「良い父親」になれない理由をいろいろ並べ立て、それでもなんとか「いい父親」になりたいと不器用ながら息子と関わる姿は、ほほえましくもあるのですが、ちゃんと「母親」になり、「良き妻」としてハリーを諭したり支えたりしているジニーと比べると、なんとも頼りないです。


母親は「親になる」ことに選択の余地がないところがありますが、父親には選択の余地があるんだなぁと感じるところです。どのタイミングで子供と向き合うか、「親」として成長するか、タイミングを選べる自由があるかないか、父親と母親ですでに違うんだな…と思いました。自由があるのがいいか悪いかはまた別問題ですが。


ハリー・ポッターシリーズを読んでいると、イギリスというお国柄からか、同じ島国だからでしょうか、日本人の感覚に近いものを感じます。このお話がアメリカのお話だったら、主人公はこんなに苦悩しないし、ウジウジしないし、成長と共に強く逞しく描かれていくのでしょうが、実際のハリーはいつも100%のヒーロー気質ではないし、結構ずるくて短絡的、人や運に恵まれて、ヒーローになっているところがあります。そこに親近感であったり、面白さを感じるのでしょうね。


親になったハリーも、「いわゆる理想的な父親」ではなく、いつだって昔のことにウジウジしているし、イライラ腹を立てる「普通の人」です。物語だからなのか、そこに素直に気づき反省し、頑張るところが応援したくなるのでしょう。”自分には父親がいなかったのだから、どうやって「良い父親」になっていいかわからないんだ!”と開き直ると、現実では、ハリーみたいに素直にその先には進むことは…なかなか難しいです。自分の努力と別のところに理由を見つけて安心すると、人はそこから脱出するには、相当の努力と勇気がいるものです。”ここから抜け出すには、何カ月かかるかな~”と、観劇をしながら、ついついそうした迷宮に入り込みそうになりました(笑)。


でも劇ですからね。ちゃんと結末が準備されていますから、安心です。無事に親子は分かり合えてしみじみと終わりました。もっと息子のアルバス側からの心情を聞いてみたい気はしましたが、これは余韻として…。

魔法の演出もアナログにこだわっていて、舞台としてもとても楽しませてもらいました。


心のエネルギー補給して、またお仕事がんばります。





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