開業するにあたって、他の同業者のウェブサイトを見る機会がありました。
たくさんの方が開業されている…これはお部屋1つ、HPがあれば、誰でも開業できるこの仕事、予想の範囲内でした。資格がなくても「心理士」を名乗ることに制約のない世界でしたしね。
驚いたのは、意外と臨床心理士でもない、公認心理師でもない心理士さんの運営されているHPの豊かなこと。。。いや、本当に資格がないのかどうかもわからない、持っているのかも知れないけれど、それについての記載が見つからない!
そして、私の知らない心理関係の資格の多いこと^^
臨床心理士として働いていると、周りの心理関係者はみんな臨床心理士なんですね。
だから、他の心理資格の存在もずっと知らずに20年きてしまったわけです。
個人開業のカウンセリングルームがたくさんあるのは覚悟していましたが、急速に増加している臨床心理士が開業しているのだろうと思っていたわけです。
臨床心理士という資格は、資格をとっても、毎年、臨床心理士会に年会費支払って、5年ごとの更新手続きのために、せっせと仕事の合間をぬって高い研修会や学会や勉強会に参加しなければいけなくて、他の資格をとろうなんて、余裕がない、ずっと走らされているような資格なんです。そんな中でも他の資格を取っている方、ほんと尊敬します。。。
さらには、臨床心理士の資格試験を受けるには、基本的には大学院修士の学位が必要です。
これはまたハードルが高いですよね。
特に、最初から心理の道を選ばず、社会に出て、学校とは縁遠い状態になってから、心理の道に入ろうと思うと、また学校に戻ると考えるのは、なかなか勇気のいることです。
大学院に行ったからって、机上の勉強や実習をしたところで、もう実践してるし今更。。。
そう思いますよね。
それでも、心理士はやっぱり臨床心理士であって欲しいと思うのです。
何を勉強するかというよりも、この必要な「回り道」をしたことがとても心理士として重要だと思うからです。
回り道をもったいない、無駄だと考える心理士には、カウンセリングに一定の時間がかかること、クライエントが全然治ってない、良くなってないと焦ったり、怒ったりするときに、その気持ちを抱えてあげられない、待ってあげられない、説明をしてあげられないと思うからです。
臨床心理士になる過程には、なかなか時間がかかりますが、その時間の中で、無責任に人の心について、語り合ったり、意見を戦わせたりします。
実践に出てしまうと、どんなに新人であっても、心理士としてクライエントと向き合う限り、「無責任」ではいられないのです。
現場にはそうした心理士もいるかも知れませんが。。。
心理士は自分の心を道具にして、クライエントの心理を探索していきます。
自分の心を道具にできるほど、自分と向き合う時間が必要であるとも言えるのです。
始めるのに遅すぎることはないと思いますが、回り道を厭わず、果敢にチャレンジして「同業者」になって頂きたいなと思います。
「臨床心理士」だからって、みんな信用できるの?
これはまた別のお話。
カウンセリングを受けてみようとお探しになる時は、ぜひ「臨床心理士」であるかどうかを確認してほしいと思います。
そうでないならば、その信用性を超える魅力があるのかどうか、カリスマ性があるのかどうかを納得した上で、選んで頂ければと思います。
クライエントさんにとって、心理士との出会いが「素敵な出会い」「特別な出会い」「安心できる出会い」であって欲しいと思うのです。
Kommentare