オフィスを開業して1年が経ちました。
カウンセリングにもいろんな形での利用があるのを実感しています。
私は精神分析的な心理療法での指導を受けてきました。
若い頃は、なかなか継続的にクライエントさんが来てくれないという悩みから、
心理療法は「続けてなんぼ」みたいな意識がありました。
確かに指導を受けるには、続いているケースを見せないといけないですし、
回を重ね、その流れを見ていくことで、クライエントさんへの理解は深まります。
でも、それは「精神分析的心理療法」を実施した場合に必要なことなんですね。
オフィスにいらっしゃるクライエントさんには、様々な「段階」の方がいらっしゃいます。
精神科クリニックや病院にいた時よりも、御相談にいらっしゃる方々の層は幅広いものだと感じています。
必ずしもすべてのクライエントさんに心理療法が適応されるわけではありません。
頭ではわかっていたことですが、バライエティ豊かなクライエントさんにこの1年間、お会いすることで、この振り分けが初回カウンセリングの価値を決める、大事なものになることを実感しています。
最初のお話をうかがって、どんなカウンセリングを御提案できるかがとても大事になるということです。
クライエントさんが、最初の重い扉を開けて、せっかくいらして下さったのです。
次の扉の御提案を確実にしてあげることが心理士としての務めかなと思います。
次の扉も重いものになるかも知れません。
ある程度の覚悟もいるかも知れません。
でも、この時点でひとりで扉を開ける必要がないことを分かって頂くこと、それが初回カウンセリングの意義になるのではないかと感じています。
1回のカウンセリングで満足される方もいます。
継続カウンセリングの必要性をお話しても、経済的な理由や御家族の賛同を得られなかったり、踏み込む覚悟や精神力が足りなかったり、様々な理由から継続されない方もいます。
それでも、いらっしゃった方々に「いつかまた相談に…。」と思ってもらえるよう、未来につなげられるように心がけています。
次の扉がどこにあるか、どんなものなのかがわかると、未来の「当て」になりますよね。
今実施できなくても、そこに向かって歩こうと思えるのならば、意味があります。
カウンセラーにとっては、自分の持てる技を総動員して取り組む「初回カウンセリング」ですが、クライエントさんには、ぜひその技術に身を委ねる気持ちで、お気軽にいらして頂きたいと思います。
カウンセリングに興味を持った時点で、どんな方も初回カウンセリングを受けるタイミングです。
その後の継続が必要かどうかは、カウンセラーがきちんと判断してお話をしてくれますので、ご安心下さい。判断には数回お会いする必要もあるかも知れません。でも、その数回の体験は、御自身が今後をどうするかを判断するのに必要な時間でもあるのです。
ぜひ、「一緒に考える」ことを体験して頂いて欲しいと思います。
大事な初回のカウンセリング、きちんと判断ができるカウンセラーを、資格や経験、クライエント様の「カン」で判断して下さい。
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