開業であり、決して安価とは言えないカウンセリングには、ふらっと立ち寄るようなクライエントさんはあまりいません。
良くも悪くも流されるように人生を生きてきて、ある程度「自分はこんな感じ」とわかっている方が、今までこんな感じでなんとかやってきたのに、どうも最近うまくいかなくなってきた…、ずっと危ういながらもやってきた感じがあるけれど、このままこの危うさや不安を持って、人生を折り返すのは嫌だ…。
こんな不安定なまま、人生を折り返したくない!という思い…これを感じた時に、カウンセリングを考えてみる方が多いようです。
会社で人間関係に悩んだり、どうしても1つの職場に長く勤められなかったり、
家族を持ち子育てに追われ、自分のキャリアが見えなくなる不安、
ご家族との関係で人生のあと半分を一緒にすごすことに不安を覚えたり…。
パートナーへの思いの変化や態度の変化、こじれてしまった関係性や、
子どもとの関係など、
ひとりで考えても苦しかったり、堂々巡りばかりで答えが出せなかったり…。
そして、成人して自分で働いて自立できるようになって以降の、
親との関係に改めて悩まれる方も少なくありません。
親が元気で強気な時は、大人になった子どもも強気で言い返したり、
理詰め論争ができたり、心理的にも物理的にも距離を取って別々で生活することが可能ですが、自分も親もそれなりに年を取ってくると、状況が変わってきます。
子どもができれば、おじいちゃんおばあちゃんとして関係性が再接近しますし、
親自身の心身に問題が生じると、「子どもでありながら、自分が面倒をみる」立場になって、関係性がまた近づきます。
こうした関係性の変化と、自分が持ち続けている親子関係へのこだわりや思いなどが、拮抗してしまうことがあります。
自分の家族と原家族、両方のバランスを保つことを要求されるようになる時は、人生の折り返し地点であったり、自分の心身の健康にも不安が出てきたり、ひとりではとても抱えきれない荷物が積みあがってしまってしまう時期にもなります。
このタイミングは、一概に年齢層だけ分けられません。
きっとそれまでにも何度も高い壁を感じていることはあるでしょうが、
そのつど支えられている人とのつながりで乗り越えているのです。
本当にしんどいな…、ひとりでは何ともならないな…というタイミングの時には、
ここに「孤独」が上乗せされている場合が多いのです。
人とのつながりがないわけではありません。それなりに友達も同僚も家族もつながっているし、話せる相手がいないわけでもない。
でも、それぞれの関係性から、本当にしんどいこと、悩んでいることは、そうした身近な人には相談できない状態なのです。
なんの関係性もなく、しがらみもなく、知り合いとのつながりもコネもない、それでいて、話した内容を誰彼かまわず話してしまう心配がない。
自分の話をバカにしたり、笑い飛ばしたり、憐れんだり、
それより自分の方がどんなに大変か病気自慢や不幸自慢を聞かされることもない。
親身に聞いていたはずだから、信用していたのに、いつの間にか周りがみんな知っていた…なんて、心配もない。
今ある周りの関係性を壊さずに相談できる、
それが「カウンセラー」という存在になります。
クライエントさんは、「誰かに話を聞いてもらわなきゃと思って来ました」とお話をされますが、この「誰か」は「専門家」を意味しています。
「誰か」が「誰でもいい」のであれば、この方はSNSに投稿するでしょう。
「誰か」にどのくらいの専門性と倫理を求めるのかによって、選ぶカウンセラーが変わってくるのだろうと思います。
「自分」という「オリジナルのひとりの人」としてしっかり見てもらいたい人は、
経験値の高いカウンセラーを、
自分を「何らかの分類」をして、仲間がいる、こうした悩みは自分だけじゃない、確立された解決策を求める方は、「〇〇カウンセラー」というようなより専門性の高いカウンセラーを選ぶのでしょう。
どんなカウンセラーを選ぶかによっても、クライエントさんの「カラー」が出ます。
何よりも守秘と専門性を重んじる人は資格保持者との対面カウンセリング
話しやすさ、受け入れられやすさ、即時的な安心感を求める人は、お手軽な金額でできるオンラインや電話・SNSカウンセリング
自分で考えることよりも、「こうすれば大丈夫」というような強力なアドバイスが欲しい人は、カリスマ性の強いカウンセリングやセミナー
どれも一長一短があり、どれを選択しても間違ってはいない、それぞれのニーズに合わせたカウンセリングの在り方だと思います。
検索画面で「カウンセリング」と入力した時点で、「カウンセリング」という言葉を思わずクリックした時点で、「カウンセリングに行くタイミング」なのです。
近しい人に、「こんなカウンセリングがあるよ」「こういう話を聞いてくれるところがあるよ」と勧められた時も、タイミングです。
みんな、そんなタイミングで訪れていますよ。
まずは扉をたたいてみましょう。
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