20年の臨床の中で、何度か海外へ出ることがあり、日本の臨床現場に戻る度に精神科受診やカウンセリング来談への敷居が下がってくることを実感しました。
それでもそれは私が「医療機関」に関わっているからであり、医療にかかることへの抵抗のある人、そもそも医療に関わる健康への不安を感じることの少ない人にとっては、まだまだとても敷居の高い「こころのケア」ではあります。
現場でクライエントさんと関わる中で、「もっと早くに相談にきていれば…」とか、「最初にサインを出した時に、ちゃんと専門の心理士に出会えていれば…」と思うことは少なくありません。敷居が低くなったとはいえ、精神科の扉を叩いたり、カウンセラーを探したりするのは、「よほどのこと」がない限りは「ない」ことなのです。
この「よほどの」というレベルは、人によってとても差のある感覚になります。そして、日本人は元来、我慢強く人に弱味を見せないことを美徳としてきたところがありますので、「よほどの」レベルがびっくりするくらい高かったりします。
周囲から見てもボロボロなくらい体も心もサインを出しているのに、本人の心持だけが、まだ「よほど」ではないと思っていることがよく見られるのです。
特に、日頃からあまり病院やクリニックに頼らない人ほど、この「よほど」のレベルが高く、サプリメントや民間療法、メンタルトレーニングなど、人の力を頼らない方法でなんとかしようとするみたいです。
この「よほど」のレベルを下げるべく、様々な心の警報であるサインについて解説したり、症状からどんな病気がありうるかなどの啓蒙活動を広げてきているのが現状かと思います。
そもそも「よどのこと」でないと、相談できない環境を何とかできないか?
「よほど」でなくても、「ちょっとした」ことで、相談できる環境があれば、「よほど」に至ることを避けることが可能になるのです。
病気で言うところの「未病ケア」にあたるものになりますが、体の未病ケアは「健康指向」であり、食事に気をつけたり、サプリメントを取ったり、漢方治療をしたり、日常の中に自然に取り込まれています。ちょっと不調を感じれば、マッサージや整体に行ったり、「体のケア」をすることに、あまり抵抗はありませんよね?
「こころのケア」にも、こうしたケアがすぐできれば、ちょっとしたケアで重篤にならずにすむはずです。
そして、自分の生い立ちや両親との関係、トラウマなどの問題や生き方の癖を、機会があれば整理してみたいと思っておられる方は多いのではないでしょうか?
「毒親」や「HSP」という言葉が市民権を得ているのは、気になる人とのうまくいかなさに自分でも気づいていながら、「よほど」のことがあるまで放置せざるを得ないからなのかな…とも思います。
日本よりも先に心理研究が進んでいた欧米では、カウンセリングやセラピー文化が生活に根付いています。海外ドラマや映画を観ると、なにかと「私のカウンセラー」に話をしに行く場面や、「カウンセラーとこのことについて話していらっしゃい」とか、問題行動を起こした後に週1回のカウンセリングを1年間義務付けられたり…なんて話を聞きますよね。
いわゆる「かかりつけのカウンセラー」がいることが普通になっているのです。
さらには、夫婦の問題があれば「カップルカウンセリング」「離婚カウンセリング」、子どもの非行の問題があれば「非行カウンセリング」、「虐待カウンセリング」「発達カウンセリング」…様々なカウンセリングシステムが用意され、日常の中に「カウンセリング」や「セラピー」が身近になっているのです。
日本でも「かかりつけカウンセラー」が習慣にならないか…。
せっかく臨床心理士も増え、公認心理師なんていう国家資格までできたのです。あなたと相性のいいカウンセラーを探して、身近にしておきませんか?
いざなんて時を待たずに、定期的に近況を話し、今の自分に至るまでを振り返り整理し、「今」を生きている自分を確認する。
整理してきたことを話すもよし、絶賛悩み中のことを相談するもよし、気になる日常を語るもよし、語ることをもっと身近にできるといいな…という思いを込めて、
カウンセリングオフィスつむぎでは、
を作りました。
実はカウンセリングが本格的に始まるまでには、
・初回カウンセリング(インテーク)
・心理テストとフィードバック面接
・アセスメント面接(クライエントの生い立ちや家族情報などをの聞き取り、心理テストの情報や現況情報などから、クライエントについて見立てる)
人によって回数は変わりますが、4~5回くらいの来談が必要になります。
早く今の悩みに対処しなければならない場合には、もちろん融通を利かせることもあるのですが、きちんと予後の良い(また再発しない、繰り返さない)治療をしようと思えば、この事前の情報をきちんとうかがうことは、とても大切なことになるのです。
でも、確かに早く本題に入りたいというのも事実ですよね。
ホームカウンセラーシステムは、こうした何かあったときに、すぐに本題を相談して、対処について考えることができるように、入会時に必要な情報をうかがっておくというシステムです。
システムの詳細は
をご覧下さい。
全体像としては、
入会時に上記の事前面接を実施します。その後は年会費制になり、年間3回の無料カウンセリングをお好きなタイミングで予約して頂き、お話をうかがいます。
無料カウンセリングは翌年に繰越すことはできませんので、「よほどの」ことがなくても、4か月に1度くらいのペースでお話をしに来て頂くことになります。
御本人が「よほど」でないと思っていても、心のサインが出ていることもあります。
その場合は、カウンセラーの方から、通常の継続カウンセリングをご提案します。
自分で「よほど」のレベルを決めなくてもいいのです。
基本的には個人で入会して頂くシステムになりますが、
家族でサービスを連携させることが可能です。
詳細は御希望のある方にご説明しますが、3回の無料カウンセリングのうち、2回までは別の家族が使用することが可能です。
例えば、御主人が先に入会し、奥様が妊娠をされたタイミングで奥様も入会。
家族連携をさせておけば、出産後により心理的なケアが必要な奥様に御主人の無料カウンセリングを振り替え、奥様は年5回のカウンセリングが受けられます。
育児による不安もまた「よほど」のレベル判断が難しいもの。
でもあらかじめ行ける回数が決まっていれば、「よほど」のレベルに関わらず相談することができますよね。こうした心遣いがあるだけで、育児はだいぶ楽になりますが。。。
また、ひきこもりのお子さんがいるご家庭の場合、たいていは、御本人よりも前にご両親が御相談にいらっしゃいます。最初からお子さんがカウンセリングにいらっしゃることは難しいかも知れませんが、家族で入会しておけば、まずはお母様がカウンセリングで相談をしていく。その様子を見て、お子さんが興味を持った時に、すぐにカウンセリングを試してみることができます。いきなり毎週行くカウンセリングを試す勇気はなくても、年3回くらいならいけるかも、なんなら1回でも、あとはお母さんに譲れる…。
少し敷居がさげられるきっかけになるのではないでしょうか。
また、地方や海外に行かれる御家族にも利用可能です。
心理テスト以外のカウンセリングについては、オンラインカウンセリング対応が可能です。
不慣れな地方や海外での生活は、想像以上に心に負担をかけます。
相談できる人が身近にいれば何てことないことも、ちょっとしたことが大きな不調につながってしまうこともよくあることです。
離れていると、必要以上に心配をしてしまうなんてこともあり、意外とちょっとしたことは、家族に相談できなかったりもしますよね。
うまくホームカウンセラーシステムを利用して頂ければと思います。
できたてホヤホヤのシステムなので、これからまだまだサービスの形態は変わっていくかも知れません。上記の例も私の個人的な経験から、「あったらいいな」というサービスから考えています。今後はクライエント様側からの要望に応じて、よりよいステムにしていければいいと思っています。
御料金については、まとまった金額になってしまうので、少々高額だと感じるかも知れませんが、通常のカウンセリングを始めようと思ったら、倍以上かかります。
敷居を下げるという目的で、入会金・年会費ともできるだけ抑えてあります。
長くお付き合いしていくことが目的のシステムですから。
ただマンパワーは限られていますので、こちらも今後調整していく可能性があります。
少しでもご興味を持たれたら、ぜひ御入会をお勧めします。
詳細については、初回のカウンセリングでご説明をさせて頂きます。
御自分の場合、このシステムの利用がいいのか、通常のカウンセリングがいいのか、そうした御相談も初回にお話を伺った上でカウンセラーから御提案できますので、まずはお問合せ下さい。
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